こんにちは、いずみんです。
先月、一年半の抗がん剤治療を無事終了しました。
本当に長かったです。
目の前の問題に向き合っているうちに終わった、、、というのが正直なところです。不思議なもので辛かった記憶も忘れつつありますので、一度振り返りをしたいと思います。一年半分なので長文で失礼いたします!
放射線治療が終わってから10年後の定期検診で「完治した。」と診断されてからも、反対側の胸が心配だったので、人間ドックとは別に毎年2月に定期検診を受けていました。しかし、2021年の9月あたりから同じところにしこりができました。
「いやいや完治したって言われたし、同じところにそれはない。」と思うようにして2月の定期検診まで待つことにしました。
とはいえ、なんとなく嫌な予感もあって、今のうちに温泉旅行に行っておかなくては!と、鹿児島に勢いで行きました。本当は行くのは受診の方が良かったですよね、、、
まずは、がんのタイプを検査するところから、手術前の検査と治療スケジュールなどを書きたいと思います。
もくじ
・検査のながれ
・怒涛のやることリスト
・有給が無くなり欠勤に
検査のながれ
(1)問診
(2)視診
(3)触診
(4)超音波検査(婦人科検診と同じ)
(5)マンモグラフィ(婦人科検診と同じ)
↓さらに針を刺して主要の組織を吸引し良性か悪性かを調べました。
(6)細胞診
※私はこれを2回(2日)しました。1回目は普通の注射針みたいのでしたが、細胞の量が少なかったということで、2回目は麻酔をして太めの注射針で吸引しました。
※麻酔(注射)はしてくれるので痛みは少ないです
(7)組織診(マンモトーム生検)
※そしてさらに多くの細胞をとるべく、太めの注射針です。
麻酔はしているものの、針が太いので、刺すときは、ずん!ずん!ずん!という感じで胸にピックが刺さるイメージでした。それでも10数年前の時は手術室で3mmくらい切って細胞をとった記憶があるのでマシになったような気がします。
ここで乳がんのタイプが確定して治療方針を決定
①採取した細胞から乳がんのタイプがわかる
②乳がんであれば治療方針が説明される
この時に初めて乳がんにもタイプがあることや治療方法が異なることを知りました。私の場合は「HER2陽性」でした。
下記の表の通り、選択される治療としては「ホルモン療法」と「分指標的薬」「化学療法(抗がん剤治療)」を受けることになりました。
↓さらにがんの大きさや遠隔転移をしていないかを調べました。
(8)CTスキャン(コンピューター断層撮影)
身体の断面をX線撮影して遠隔転移をしていないかを調べます。
手術までにこれを二回やりました。
(9)MRI(磁気共鳴画像法)
患部である乳房だけ電磁波の照射によって画像化。
(10)骨シンチグラフィ
骨に転移していないかを調べるそうですが、放射線なので地下の重苦しい部屋でまずはアイソトープという液体を注射されます。
手術の前に必ず受けるそうですが、地味にしんどかったです。
なぜならアイソトープが身体全体にいきわたるまでに3時間かかるんです。院内であれば自由行動可とのことで、一旦ご飯を食べに退出して戻ってきてから、CTスキャンよりも大きい装置に横たわる感じでした。
アイソトープはあまり体の中に残しておくとよくないということで、ペットボトル500mlを1本ランチタイムに飲み、もう1本を検査後に飲みました。がぼがぼです。
(11)腫瘍マーカー
あまり記憶がないのですが採血による血液検査の項目がいっぱいあるという感じだったと思います。
(12)PET-CT(陽電子放出断層撮影)
画像を鮮明にするための点滴のような注射を、手術までに二回やりました。点滴の針が太いので両腕に失敗されること数回。
↓さらに手術や抗がん剤治療に耐えられる心臓かを調べました。
(13)心臓超音波検査(心エコー)
抗がん剤治療に使われる「パクリタキセル」「トラスツヅマブ」は心筋障害を起こしやすいことから事前に心筋梗塞などないかを検査します。
これまた造影剤を注射されます。体中に悪いものがまわってしまうんじゃないかと心配になるほどです、、、
早く出してしまうために水分をいっぱいとりました。
抗がん剤治療中では、心電図の検査もあります。
どうですか??思っていた以上に検査項目ありますよね??
まだ抗がん剤治療前なのに、注射で血管がどうにかなりそうでした。
これを約一か月かけて検査をするので有給があっという間になくなっていきますし、費用もかなりかかりました。あらためて費用は別の機会に書きますね。
怒涛のやることリスト
検査をしたら、すぐに治療となり、入院の準備や、手術はうまくいくのかなあとか、仕事と将来(そもそもあるの?)とかも不安になって、心も頭の中もぐちゃぐちゃでした。
な、の、に。同時進行でやらなくてはならぬことがあるのですよ。
↓手術前に歯科外来4回あり。
①歯垢除去や歯槽膿漏の治療
手術の時に口の中が汚れているとよくないとのことでやっておくそうです。私は一か月かけて歯垢除去(歯茎をめくって奥まできれいにする)を地元の歯医者さんでしました。
②マウスピースを作る(任意)
全身麻酔の際は呼吸を確保するために器具を口にいれる際、稀に前歯を折ってしまったりすることがあるのでできれば作って欲しいと言われました。歯型~受け取りまでに4回ほど口腔外科に通いました。
↓まだまだあるよ(涙) お次は麻酔科での診察。
全身麻酔の説明を聞く日と診察(同意書に何枚もサインしました。老眼の方は眼鏡必須です)の日がありました。
↓入院と手術の手続きの他に、再建前後の下着の採寸と発注。
①採寸
看護師さんに採寸してもらいます。
②何種類か試着および発注
Wacoalのものだとその場で発注できたようですが、私には高価に感じたので、UNIQLOの前開きのブラを2枚通販で購入しましたが、入院中も退院後もノーブラだったので高いものを買わなくてよかったと思いました。
↓巻き爪の方は皮膚科へ。
抗がん剤治療の副作用で爪がはがれたり、欠けてしまったり、変色してしまったりするのですが、巻き爪がある場合はそこから炎症をおこして膿んでしまうこともあるらしく、やや巻き爪気味であったため、治療することを勧められました。ネットの情報から皮膚科の治療は痛いとのことで、巻き爪専門病院へ。初診料2000円。←結果、痛くなってから来てください。とのことで初診料のみ(涙)。皮膚科にすればよかった。
↓ウィッグの準備。選ぶのに時間がかかるけど急がなくてもよかった。
抗がん剤が始まる前の元気なうちに。ということと、髪の毛があるうちにウィッグを作った方が希望のものができるとのことで、看護師さんから5社くらいのパンフレットをいただきました。
①実店舗で試着してみました。(1つ30万円~100万円位でした)
②自宅に配送してもらって試着するタイプの2つを試しました。
結果、②の中で医療用ウィッグ人毛の35万円前後のものを2つ購入しました。2個買うと半額キャンペーンだったのです♬
③お出かけ用とは別にお部屋用を通信販売で用意する(7千円前後)
同居人がいれば必須かもしれませんが、私の場合は宅急便対応やスーパーへの買い出し用に気軽に使えたので買って良かったです。
③買わないという選択肢もあり
バンダナや帽子で済ませる方もいらっしゃるそうなのでウィッグは絶対ではないですし、リモートワークになったのもあって買わなくてもよかったかなと思うことはありました。ただ、自分の元の髪型のものがあるとWEB会議や外出時には精神的には安心感があって良かったです。
↓帽子の準備。(他、伊達メガネにつけまつげ、まゆげシールも購入)
ウィッグを買ったから大丈夫と思ったのもつかの間、、、
髪の毛がないとめちゃくちゃ汗が目に入るんです。
病院の中のお店で試しに一つ買ってみましたがそこそこするんですよ。
なのでそれを型紙にしてUNIQLOで買った綿100%のTシャツ(パジャマにもならないくらいの古着)で手縫いで作りました。めちゃくちゃ良かったので、次回、帽子の作り方を書きたいと思います。
◎重要。遺伝子検査。
がんが遺伝であれば、予防のために両胸と子宮を切除する判断をします。
私は遺伝ではないことがわかりましたので、患部だけの手術となりました。遺伝子検査は保険適用(条件あり)でないと数十万かかってしまうのですが積極的に相談されたほうがいいと思います。
がんや抗がん剤治療への不安、仕事を続けられるか、ひとり暮らしで準備しておくものはあるか?お金は大丈夫か?など心も頭もいっぱいいっぱいなのに、本当に怒涛の一か月でした。
有給が無くなり欠勤に
治療スケジュールに合わせて会社に休みの届け出をしていたのですが、
検査がたくさんあって、かなり有給を使いました。
これの他に再建のための形成外科への診察もあるので35日くらいあった有給は入院中になくなり、退院後には欠勤になってしまいました。
また、会社員ということもあり、金銭面でもかなり保証があり、困ることはなかったです。
休み中は、職場の人たちには負担をかけてしまっているので申し訳ない気持ちでいっぱいでした。ただ、いままでに産休や育休で協力してきたこともあり、「お互いさまですから」と励ましのLINEをいただきました。本当に自分にかえってくるんですね。頑張ってきてよかった。
長くなってしまったので、今回はこの辺で。